こんにちは。
最近タトゥーについての話題が、SNSのタイムラインを賑わせているような気がします。
スポーツ選手や、俳優、若者のファッション的な流行から見て取れる欧米のタトゥーへの考え方。
銭湯の入場禁止や、暴力団のイメージなどの日本のタトゥーへの考え方。
同じタトゥーであってもその考え方は多様ではないでしょうか。
そこで今回は、タトゥーを入れている方と嫌でも接する機会が多い銭湯で、4年以上働く僕が考えるタトゥーについて書いていきたいと思います。
Contents
欧米におけるタトゥー
タトゥーは5300年前に発見されたイタリアのミイラから確認されており、当時は高貴な身分の人たちに施されていました。
しかし、ギリシャの哲学者や、ローマ教皇などがタトゥーに対して否定的な見解を示しており、ギリシャ・ローマ時代にはタトゥーの評価はそれまでとガラリと変わりました。
こうして、キリスト教徒の間でタトゥーは野蛮なものとされ、ヨーロッパでのタトゥー文化は廃れていきました。
以後、タトゥーが注目されるようになったのは大航海時代であり、外国船の船員などに見られるようになりました。
その後イギリスでは、犯罪者にタトゥーを入れるようになり、タトゥーはギャングや犯罪者といった外れもの象徴となっていきました。
このように長い間、否定的な考え方だったタトゥー文化でしたが、1900年代後半に入ると、タトゥーが自らのアイデンティティであったり、意味をなすようになってきたのです。
サッカー選手の中には、自分の子供の名前を掘る人や、家族の名前、飢餓に苦しむ人へ向けたものなどが出てきました。
こうして有名人から、若者のファッションへと流行していったのです。
とはいえ、タトゥーに寛容な欧米とはいえど、国によってはタトゥーが入っていると軍人や警察官になれないなどの規制があったり、上流階級の人たちはタトゥーに対して良いイメージを持っていないなど、今でも全ての人に受け入れられているというわけではないようです。
日本におけるタトゥー

日本でも700年代に日本書紀や古事記に刺青が刑罰として使われたことが言及されています。
そして時は流れ江戸時代には、軽犯罪を犯したものに刺青を入れられる刑がありました。
この際に、犯罪を犯した場所がわかるようにデザインが場所によって違っていたり、地域によっては刺青刑が顔に施されるところもありました。
顔に施されると、一目見て犯罪者とわかるわけですから、やられた方はたまらないですよね…笑(そもそも犯罪を犯すなという話)
一方で、刑罰とは別でおしゃれとしての刺青文化も江戸時代には栄えました。
これは火消しや飛脚といった肌を出す機会が多い職業の人たちによって好まれたのです。
明治時代になると、鎖国が解かれて外国人が入ってくるようになり、欧米から見た日本を意識したことによって、刺青を規制したのです。こうして、日本における刺青文化はどんどんとなくなっていったわけです。
そして、現在ではその威圧感から暴力団の人たちがするようになったこともあり、刺青を入れている人に対して、マイナスな印象を持つ人が多く、銭湯のみならず、就職などにも影響があるというのが現状です。
銭湯で働いていて思うこと
そんな日本ではまだまだ否定的なイメージのあるタトゥーですが、タトゥー入館禁止の銭湯で働いていて思うことを書いていきます。
外国人観光客に温泉を楽しんでもらいたい気持ちはある
日本人であることや外国人であることは関係ないという意見はごもっともだと思いますが、それでもタトゥー文化に寛容な海外から訪れた観光客が温泉へ入れないことは少し気の毒に感じてしまいます。
というのも、ほとんどの海外の国は日本ほどお風呂の文化は発展していません。
水資源が豊かではない国は、そもそも湯船にも入ることすらないでし、海外の温泉の有名な場所でも、だいたいの所は水着での入浴だったりするので、日本における温泉は外国人にとって新鮮でワクワクしながら訪れている場所の1つであると思います。
このような気持ちも考えると、外国人であってもタトゥーの方の銭湯への入館禁止って結構厳しいなぁ、なんて思ってしまいます。
しかし、外国人だけを例外にするのはもちろん非難の声は上がるでしょうし、だからと言って、いっそのことタトゥーを入れていても全員入浴可にする、としてしまうと、それはそれで既存のお客さんが離れてしまうことにつながりかねないので、この辺りの規制については注意深く考える必要があると思います。
銭湯にいるタトゥーの入っている人はガラが悪いことが多い
僕が働いていた銭湯では、タトゥーが入っている人の入浴を見つけた際には、その場で声をかけて退館していただくのですが、正直銭湯にいるタトゥーの人はガラの悪い人が多いです。
ほとんどの人はタトゥーを入れていると銭湯に行けないということは、なんとなくご存知だと思います。
そうしたルールがあることを把握しながら来店している方々なので、銭湯で出会うタトゥーの人たちは必然的にガラの悪い人が多くなってしまいます。
もちろん、タトゥーの入っている方全員がガラが悪いわけではありません。
僕が通っていた美容室の方もタトゥーがいれていましたが、「タトゥー入ってるから銭湯行けない」とおっしゃっていたので、ルールの中でタトゥーを楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。
とはいえ、まだまだタトゥー文化の理解が十分ではない日本で、生活のしづらさは少なからずあるようです。
威圧感はある
タトゥーの入っている人が温泉にいたとして、他のお客さんに与える影響ってそんなにないんじゃないの?と思う方もいらっしゃるかと思います。
僕もタトゥーが入っていようがいまいが、どっちでもいいのではないかと思っていました。
しかし、スキー場併設の温泉に訪れた時のことです、5人ほどタトゥーの入った方が入浴していました。
正直、複数名タトゥーを入れた人が入浴していると、客目線で考えた時にせっかくゆっくりしに温泉に来ているのに、ちっともくつろぐことができません。
また、大々的にタトゥーが入っていても入浴することが可能としてしまうと、タトゥーが入った方が集まってくるのは目に見えているので、なかなか規制を緩和することは難しいのでしょう。
まとめ
タトゥーの有無によって、どんな人か、そんなことは全くわかりません。
むしろ、タトゥーも立派な文化であり、否定することは絶対にできません。
しかし、現状日本人の考え方の中に、タトゥーにはマイナスのイメージがあり、ある程度の選択の制限がなされることは理解してから入れるべきだと思います。
タトゥー文化が受け入れられるためには、ただタトゥーの人の権利を主張するのではなく、今まで積み重ねられたタトゥーへのマイナスのイメージをコツコツと払拭していく必要があるでしょう。
将来的にはタトゥーについての論争なんか起きないようになればいいなと願っています。
タトゥーの方の銭湯への入浴はまだ時間がかかりそうです。