こんにちは。
みなさん紙で作られた教会があるってご存知ですか?
紙でできた教会と聞いても、「紙で建築物なんて作れるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
実はニュージーランドの南島最大の都市、クライストチャーチには紙でできた教会があるんです。
そんな紙の教会を今回の記事ではご紹介したいと思います。
紙の教会って?
紙で作られた教会って言われてもにわかに信じがたいですよね。
元々、このクライストチャーチには街のシンボルでもあった、立派な大聖堂がありました。
しかし、2011年に起きたカンタベリー大震災により、もともとあった立派な大聖堂が大きく壊れてしまったのです。
(僕が訪れた2017年も、未だにもとあった大聖堂は壊れたままで、地震の被害の大きさを表していました。)
そこで仮設的な役割として、低コストで建築されたのがこの紙でできた教会なのです。
紙の教会を設計したのは日本人建築家
そんな経緯で建設された紙の教会ですが、実は日本人建築家の坂茂氏によって設計されました。
坂茂氏は各地の災害支援活動を行い、主に紙管を利用した建築で知られていて、2014年には建築分野の国際的な賞である、プリツカー賞も受賞しています。
そんな世界的にも有名な日本人建築家が、この紙の教会の設計に携わったのです。
紙の教会に実際に行ってみた
実際にクライストチャーチに訪れたので、紙の教会ってどんなのだろうという疑問を解消すべく、訪れてまいりました。
外観はこんな感じです。
洗練された外観と、美しいステンドグラスが目を惹きます。
紙でできた仮設的な教会と思っていたので、思っていた以上にしっかりとした造りになっていて驚きを隠せません。
中に入るとこんな感じです。
パッと見どこが紙でできているのだろうか?という疑問が湧いてきたのですが、よく見ると屋根を支えている柱の部分や、向かいの十字架も紙でできているんです。
一見どこに紙が使われているのかわからないような空間のあらゆるところで紙管が使われていて、思わず感心してしまいました。
特殊な紙を使用していることで、強度も申し分ないらしく、50年は耐久するとのことでした。
振り返ると、大きなステンドガラスに太陽の光が差し込んでとても美しかったです。
内部の感想としては、紙でここまでのものを作れるのかと思わず感心してしまいました。
仮設的な教会ということでコストを抑えつつも、強度も申し分なく、しかもこの美しさ、何より温かみを感じられる内部の空間は素敵でした。
紙の教会のアクセス
紙の教会はクライストチャーチ中心部のやや東に位置しており、本家の大聖堂から400mほど歩いたところにあります。
もともとの大聖堂は今
もともと街のシンボルとしてあったクライストチャーチ大聖堂は、まだ震災の跡が残っており、崩壊した状態となっていました。
というのも、新しく建て直すか、再建するかで議論されており、新しく建て直した方が費用がかからない一方で、歴史ある建物を守るべきかということが話し合われていたのです。
新しく建て直す派と、再建する派といたこの大聖堂ですが、費用と安全性が確保できるなら再建で良いとの方向性になったらしく、復興に向けて着手していくようです。
とはいえ、これだけ大掛かりなものなので、もう少し時間はかかりそうというのが、実際に見て思ったことです。
まとめ
復興までの仮設的な役割で建設された紙の教会ですが、紙やステンドガラスを通して入り込む太陽の光には温かみのようなものを感じました。
震災で被害を受けた状況下で、こういった温かみを感じられる場所は当時の住民にとってもすごくありがたい場所だったんじゃないかなと思います。
実際、定期的に市のイベントなんかも開催されているようで、広く住民に愛されているような印象でした。
まさに紙の教会が復興へ向かう街の新たなシンボルといっても過言ではないのではないでしょうか。
もともとの大聖堂が復興した時に、この紙の教会がどう扱われるのかはわかりませんが、紙でできていることもあり、もしかしたら将来的には見ることができなくなるんじゃないかなと思います。
もし興味を持った方がいらっしゃったら早いうちに訪れてみるといいんじゃないでしょうか。